母は旅に出たいと思った。(家出ではない)

そんなに海外には行ったことがないけど

行ってみたい国には出産前に行っておこう、

って、海外に旅に出たのはもう15年くらい前が最後。

フィジーだったか、イタリアだったか。

ろくに計画も立てず行く向こう見ず旅行。

パスポートはとっくに期限が切れた。

 

次はどこの国に行こう。

国内でもいいな。

国内は一人旅が好き。

また京都に行きたい。

広隆寺半跏思惟像はずーっと眺めていられる。

今なら竜安寺のお庭も騒がしい外国人がいないのだろうか。

 

結婚してからは、

夫の実家に帰省するだけでも時間とお金がかかるのと、
札幌→大分は移動に時間がかかる。子連れだと福岡で一泊しないときつい。
一泊しないならレンタカーでなくソニックに乗って振り子電車で酔い、ご実家に着いた途端寝込む嫁となる。

子どもが小さいと結局疲労感半端無いので、

飛行機に乗って旅をするなんて、考えていなかった。

独りで旅に出ることも、自分だけのためにそこまでしようとは、なぜか一歩踏み出せない。

わたしの楽しみのために、家族のお金をかける、家のことを夫に頼まなくてはいけない、ママがいないとイヤって言われる、

そういうひとつひとつのことを片づけてまで行きたくもない、と。

 

そのほかの理由でも、

子どもが生まれると、

行動に制限がかかる。

制限をかけるのは自分なんだけど、

たとえば小さな子どもの多くは飛行機の中で大人しくはしないし、

ちょっとした距離を歩くのでもすぐ抱っこって言う。
何なら空港ですでに疲労の限界を感じる。ベビーカーに乗るとは限らないからな!

車の移動だって、

赤ちゃんだったら抱っこを要求してギャン泣き、

少し大きくなったら「まだ着かないの?」とドライブを楽しむという概念がない。

年齢によっては着替えもたくさん必要で、しかもその荷物は親が持つ。
紙おむつの量と言ったら!

家族が多いほど当日の体調が全員いいとは限らないし、
うちの子ってほとんど熱も出さないけど怪我をするとかはある

のんびりしたいのに「ママー!ママー!」と呼ばれ、

いつもと違う環境なら子どもの安全に氣も張る。

おむつが外れたらトイレの場所の把握も必須。

なんだか結局出かけた方が疲れる、

お金と時間と氣力を投入して、疲れる、なんて一体何をしているのか、

ということになるので旅には出なくなる。

だってね、スーパーに買い物でさえ、げっそりするよね。

せいぜい子どもと楽しめる近場を選ぶ。

ときに独りでカフェに入るだけでも、

何だか異国みたいに感じる時期もあった。

独り散歩も好き。

 

でも、もうそろそろ、旅もいいのかもしれない。

家族でも行けるし、独りでも、行きたければ行ける。

コロナ禍で帰省もしていない。近所の目がねぇ、ってことで。

 

そして思う。

親になって、大変なことも思い通りにならないこともあるし、

弱音吐いたり愚痴ったり怒ったりすることもあるけれど、

わたしは子どもを産んで後悔したことはない。

後悔する人もいると思うし、正しいとか間違いとかではない。

精神状態がかなり良くないときは、独り身だったらこんなにはならないのに!って思うことはある。

だから、

自分が親になって思うことがある。

親に対して申し訳ないっていうきもちは要らない。

手がかかろうが、自由が制限されようが、思ったように大切にできなかろうが、

いつも笑ってるわけじゃなくても、

それでも親は子が大切だ。

 

さて、行きたいところってどこだろう?

と、妄想トリップするんだが、

まず今日はスーパーに買い物だな!

やろうと思えばできることって、結構あるのかもしれないよ。

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