札幌在住、札幌育ちなので
札幌の観光地へわざわざ行かない。
でも、ふと思う。
北大のイチョウ並木でも見に行こうかな。
毎年思っている間に散る。
きっと来年も札幌に住んでいるだろうから、来年でも見られる。
いつでも見られる。
紅葉なら近くの公園でも見られる。
わざわざ電車やら地下鉄やらバスやらに乗って
外国人観光客もたくさんいるだろうし
風邪も流行ってるし
そんなことしてる間に散らかり放題の家の中を片づけた方がいいし
と
行かない理由ならポンポンと出てくる。
でも
わざわざここへ観光に来る人たちもいるわけで
それなら気軽に行けるわたしは恵まれているのだろう。
行かないなんてもったいないのだろう。
来年のこの時期に自分や家族が何のトラブルもないという保証だってない。
そう思って
じゃあついでに
どら焼き屋さんも行こう
古書店にも寄ろう
あそこでロルバーン買おう
また買うのか
ウォーキングもできる。
と、とにかく行くと決めた。
そうやって出かけると
思ったよりかなり充実した一日になった。
当たり前にあるような環境でも
自分から近づけばまた全然違うものになる。
北大も、卒論書くときに図書館に行ったけど
観光とか散歩とかで入ったことはなかった。
ああ、わたしがここの学部を選んでいたら夫とは出会っていなかったんだ
と教育学部の建物を眺めたり
そもそも学力が足りなかっただろうけど
理学部や法学部を見ながら
かつてここへ進んだ友人を思い出したり。
そのうちの一人はもうこの世に居ない。
こんなすてきなところで学生時代を過ごして
そこだけ切り取れば羨ましい人生だ。
何が起こるかわからない。本当に。

イチョウ並木は
プロの写真家が撮ったものが美しすぎるのか
思ったより感動しなかったけど
そんなふうに期待値を高めなければ
美しい風景ではあった。
時計台よりは期待を裏切らない
たまたまどら焼き屋さんのすぐ近くにあることが判明した古書店も
いつも某チェーン店ばかり行くわたしにとって
ものすごく新鮮だった。
わたしが旅行者ならきっと

ここの古書店も寄ったことだろう。
品揃えは多くないけど本への愛はある
チェーン店とは正反対である
先日古書店を舞台にした小説を立て続けに読んだだけに
なんだかキュンとしてしまった
実はわたしは旅行で行きたいところがある。
しかし体力に自信がない。
なんせわたしは歩きたい人だ。
パックツアーなんかじゃなくて好きなように移動したい。
地元で旅行者並みに動けたなら
きっと大丈夫。
おら、わくわくしてきたぞ。
すぐ近くだって
魅力的なモノやコトはあるのだろう。
まずはそこから楽しむのもなかなか良さそうだ。
帰ってから札幌限定ロルバーンの新色を予約した。
売り切れてたんだもん。
あんなかわいいノートを地元で手に入れられることも
なんという幸福。
いやね、地元とか遠くとか言うけど
わたし思うんです
そもそもこの世に遊びに来てるみたいなもんなんじゃないかって。
だって、死んじゃったら地元でだってもう遊べないじゃない。
地元だろうが地球の裏側だろうが未開の地だろうが都会だろうが自分の部屋だろうが
等しくそこで過ごせなくなる。
そもそもこの時代のこの世界の旅行者なのだとしたら
もっと楽しんでもいいのかもしれない。
さて、
あなたの今住んでいるところは
どんなところですか?
外から来た人の視点で見ると
どんな感じに映るのだろう?
せっかくだから、と何をしましょうか。
